この情報は2016年4月時点のものです。
ポンペイ周辺にはいくつかの遺跡がありますが、そのうち、一番行きにくい『スタビア遺跡』についてご紹介します。
なお、特に有名でもなく、実際『ぜひ行くべき』とも云えない遺跡に好んで行く人なら、長く歩くことは苦にしない……であろうことを前提にしています。
行き方:鉄道
最寄りの駅はヴェスビオ周遊鉄道(正しくは『チルクムヴェスヴィアーナ鉄道 (Ferrovia Circumvesuviana ) 』)、ナポリ・ポルタ・ノラーナ – ソレント線の『Via Nocera』駅です。
一応、ナポリ発の時刻表を貼っておきますが、いつ変更になるか分からないので、必ずこちら eavsti.it の 英語表記 時刻表のページ で確認してください。(新規ウィンドウで開きます)
現在の時刻表で見ると、ナポリから『Via Nocera』駅まではおよそ45分。
料金は片道 €2.60 です。
ナポリ-ソレント 時刻表 (新規ウィンドウで開きます)
駅を降りたら……歩く!!
さて、問題は『駅を降りてから』です。
某有名旅行本では『バス』と書いてありますが、実際に行ってみると、駅や町の雰囲気はちょうど『東急電鉄 田園調布線』か都電荒川線。単線で家の裏を走っているような感じ。
バス停が見つかってもいつ来るか分からないし、下車するバス停もかなり不安。
そこで、Googleマップで調べてみると、歩けない距離じゃない。
ということで、ゆったり目に歩き、ところどころで一休みしながらで、
- 駅から緩い上り坂をサン・マルコ荘まで約30分。
- サン・マルコ荘から1km先のアリアンナ荘までは緩い坂と平坦な道で約25分。
- アリアンナ荘から駅まで下り坂を約20分。
1時間以上歩くことになりますが、歩けない距離ではありません。
但し、歩道はあってなきものなので、注意して歩くことになります。
サン・マルコ荘 Villa S. Marco
グレーの波線部分は民家の道なので、たぶんGoogleもチェックできなかったのだと思います。
地図に添って右に入ると、そこは駐車場。とても遺跡の入場口があるように見えません。
でも、駐車場の左側にもう一本、奥へと続く道があります。
この道を奥まで行って、民家の前を右に進むと入場口です。
チケットは……いりませんでした(苦笑)
その代わり、入場者名簿に日付と名前と国名、人数を書いて、すんなり入れます。
こんな感じでいくつもの部屋に絵や文様が残されてます。
ただ、貴重な絵は壁から外されて美術館に収納。ここには複製画がはめ込まれてます。
結構部屋数もあり、自由に歩けるので面白かったです。
アリアンナ荘 Villa Arianna
サン・マルコ荘で聞いた「通りに出たら右にひたすら1kmだよ」を信じて、道なりに行けども行けども、ただ田舎の風景が続くばかり。
でも、ところどころに看板はあるんです。
あっ、店舗は行程の途中に1軒だけ。カーブした上り坂を上りきって少し行ったところにドライバー向けのカウンター式売店があります。
町を出ると売店・トイレは本当にここしかないので、飲み物・食べ物はちゃんと持参したほうがいいですよ。
私が行った日はとても暑く、持参した飲み物は途中で無くなってしまい、ここで補給しました。
この店がなかった、あるいは定休日だったら……、考えたくもない。
やがて進むべき道が二叉に分かれるところに再び看板を発見!!
右側の細い道を入ったところがアリアンナ荘の入場口です。
Stabisの星マークからズレているのは、遺跡が2本の道の間にあって、入場口は奥側の横道だからです。
ここでも入場者名簿に日付と名前と国名、人数を書いて、すんなり入れます。
部屋の中はこんな感じ。
ここもサンマルコ荘と同じように貴重な絵は外されてます。
自由に見学できるのですが、係員が後をついてきます。
いたずら警戒なのか、迷わないようになのかは不明(笑)
イタリア語ができればいろいろ説明を聞けたのかも。
崖の上に立っていて、ナポリ湾とベスビオ山がよく見えます。
風が気持ちよかったなっ。
帰りはこの道順で
アリアンナ荘で「駅に行くにはどうすればいいの?」と聞いたら、係員は「前の道──写真の看板の左側の道──を右に進んで、右、右と3回曲がったら駅だよ」との回答。
確かに、田舎の林道っぽい道を下って行き、車道に突き当たったら、その道をさらに右に下り、二叉に分かれる道を右に進むと、町のメインストリート。
後はそのまま進むと遮断機が見えてきて、その先が駅です。
グレーの道でも行けますが、ちょっと遠回り。
それぞれの遺跡は小さいし、見どころ……もほとんどないので、グルッと回ってだいたい40分くらい。
正直、わざわざ行かなくてもいいかなぁ……とは思いますが、どちらか一方だけども見てみたいということなら、高台で街がよく見えるアリアンナ荘……かな。
でも、遺跡の大きさからいえばサンマルコ荘です。